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特別な日


現在一番隊隊長兼護廷十三隊総隊長である山本元柳斎重国が若い頃の事である。
元柳斎は何度か現世に赴いた事がある。一番印象に残っているのは、数十年前に赴いた時の事である。

その頃現世は「春」と呼ばれる時期を迎えていた。程よい太陽光を浴び、程よく温かい時期であった。気持ちの良いとある街中を歩いていると、「公園」と呼ばれる所に多くのピンク色の花が大きな木びっちり咲いていた。
その美しい木を眺めていると、お年寄りが近づいて来た。

「この辺では見ぬ顔じゃな。どうじゃい?日本一の桜の名所じゃよ。」
「はい、美しいですね。」

桜と言うのか、この美しい木は、と思いながらお年寄りと共に暫くその美しい「桜」を眺めていた。

――そうだ、この木を尸魂界に咲かせよう――

そして元柳斎は花屋に向かい、桜の木はどうしたら生えるのか尋ねた。

「方法はありますが、立派になるまで何十年もかかります。」
「それでも構わん。」

そして元柳斎は桜の木の育て方を聞き、尸魂界に帰った。


その頃の総隊長にその苗を差し出した。

「現世に咲いていた綺麗な「桜」と言う木について学んで来ました。どうでしょう、この尸魂界中に咲かせてみませんか?とても明るくなると思います。」
「それは本当だな?」
「はい。」

それからその頃の護廷十三隊隊長及び副隊長は桜の木を育てる為全力を尽くした。
数日で尸魂界全域に木を作る事が出来た。

「これが咲くまで、どのくらいかかる?」
「何十年もかかるそうです。」
「そうか・・・。私は見れないかもしれないのか・・・」



それから、何十年という時が経った。あの頃の「桜」の木はみるみる大きくなってきている。いつ、立派な木になり、素晴らしい花が咲くのかと総隊長になった元柳斎は楽しみにしている。
それから間もなく、尸魂界にも「春」と呼ばれるような温かな日が近づいてきた。そして春は次第に迎えられた。
春が近づくにつれ、あの「桜」は綺麗な花を咲かせ始めた。もう時期、満開となるであろう。
しかしその頃、隊長の穴が開いた隊があった。その隊とは・・・・・・・・・

十番隊

その穴に埋める事が出来る様な人材は居ないか、総隊長の元柳斎は尸魂界中を探し回った。すると今回霊術院を卒業する試験で、卍解を習得した者が居た。それは・・・・・・・・・

日番谷冬獅郎

彼を気に入った元柳斎は、すぐに隊首会に彼を連れて行き、十番隊の隊長を薦めた。彼は一瞬嫌な顔をしたが、当時の護廷十三隊全隊長の前では首を横に振らず、
「わかりました・・・。俺に、十番隊の隊長を勤めさせてください。」
という一言で決まった。
みんなが小さな彼に祝福の拍手を送った。彼はその拍手の中、元柳斎に渡された羽織を羽織ると、更に拍手の音が強まった。
その拍手の中、彼は窓へ歩み寄って外を眺めた。そこから見える景色はとても素晴らしかった。空は快晴で、更にここ、隊首会が開かれている場所は、尸魂界中を彩る、ピンク色の綺麗な桜の木々が見渡せる、絶好の場所であった。

そう、この日は初めて桜が満開となった、特別な日であり、史上最年少の隊長が誕生した日である。


後書き
 えー・・・尸魂界に桜はあるのだろうか、と思い、勝手に咲かせてしまいました。しかも尸魂界全域です(・_・;)
 それにヒツを出す予定はなかったのですが、誰かに尸魂界全域に咲いた桜を無意識に眺めさせたかったのですが、
 そんな人がいなくて結局ヒツが史上最年少の隊長就任というとても「特別な日」を満開初日的な事にしてみました。
 はっきり言って意味わかりませんね・・・。
 それより・・・桜ってどう出来るんでしょうか?調べがつかなかったので削除しました、そこは。
 変な情報流出してはいけないと思いまして。



UPDATE:2006.04.22
ルミガンで素敵なまつげ