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三角形?


現世駐在任務を任された十番隊日番谷隊長と六番隊阿散井副隊長。彼らは浦原商店に世話になりながら任務をこなしていた。

とある日、二人が現世に来ていると知った死神代行の少年、黒崎一護が浦原商店に一目散に駆け込んだ。
理由は、ただ一つ。愛しい日番谷に会いに来たのだ。

「冬獅郎!来てたなら俺の所に声かけに来てくれよ!」
「日番谷隊長だっ!で、阿散井が声かけに行ってくれるって言ってくれたから俺は声かけに行かなかったんだが。だよな、阿散井」
「そうっすよ、隊長w」

それが恋次の企みだとすぐにわかった一護は、恋次を睨みつけた。それを見た冬獅郎は、まるで恋次をかばうかのように一護の視線の前に立った。

「阿散井は何も悪くないだろ、黒崎一護。俺に代わって伝えてくれたんだ!」
「冬獅郎が来てるなんて一言も聞いてねぇ!!」
「そりゃあ言ってないから聞いてるわけねぇだろ、一護っ」

さらりという恋次。それを聞いた冬獅郎は恋次を丸い目で見つめた。
何故、自分の事を伝えなかったんだろうか。隊長という立場を考慮し、隊長にそんな面倒な事をさせないようにという優しい心積もりで一護の家に行ったのではなかったのか。
その台詞がなんとなくオーラから伝わったのだろうか、弁解のため恋次は冬獅郎の前にしゃがみ込む。

「申し訳ありません、隊長。伝えようと思ったんですけど何しに来るかわからないやつなので、隊長のために様子を見てからにしようかと思ったんです」
「俺のため?」
「なるべく危険は起こしたくないですからね」

日番谷隊長を危険にさらしたくない、と恋次はそのあと付け加えた。別の意味にとられないよう、十番隊副隊長の松本の名を出して。
納得の行かない一護は、しばらくここに滞在するかどうかを二人に尋ねた。すると、恋次の方が答える。

「まぁ任務はまだまだ終わらねぇんだよ。ですよね、隊長」
「あぁ。厄介な任務を任されたからな」
「どんな?」

馴れ馴れしくするな、と言わんばかりに恋次は前に出る。そして、任務の内容を明かした。


二人が任された任務とは、実は新たな敵が現世に向かおうとしている、と技術開発局にて調査を続けていたマユリとネムに知らされ、緊急隊首会が開かれた。
十二番隊のマユリとネムはまだ調べる事があるため不可。総隊長が抜けるわけにもいかないし、三・五・九番隊は隊長不在、五番隊に関しては副隊長である雛森が未だ目を覚まさないため無理。それを見守らなければならない四番隊も無理。十三番隊では隊長がいつ具合が悪くなるかわからないし、その看病も仕事のうち、と三席の二人も不可。そして残させた隊の間で話し合い、今後も大した任務のなかった二人が出発する事になったとの事。
また、何がここに向かってきているのかまだ調べがついていず、やる事も対してないため暇をしていた所であった。


「なら、しばらくうちの高校通えばいいじゃねぇか」
「は?」
「どうせクラスメイトのやつらの記憶だって消す事が出来るんだろ?だったら思い出作りに来いよ」

それもそうだな、と冬獅郎は頷く。隊長が行きたいのなら、と恋次も行く事になった。

翌日は小学生のような転入生と、不良のような男子が転入してきた、と一護のクラスは盛り上がった。
何より人気だったのが冬獅郎の方。何故か年を訊く質問が多く、妙に苛立っている冬獅郎の肩をポンポンと叩き、一護は自分の携帯電話を差し出す。

「こっちの携帯は連絡だけじゃなくて、ゲームで遊ぶ事も出来るんだぜ」
「へぇ〜」

冬獅郎は少し興味を持ったように一護の携帯を受け取った。するとその画面には「テトリス」と記されていた。

「テトリスって、何だ?一護」
「あっ!ずるいぞ、一護っ!おめぇだけ呼び捨てにされやがってっ!隊長、俺の事も『恋次』って呼んで下さい!!」

恋次を無視して一護は冬獅郎にやり方を説明していた。その二人を羨ましそうに恋次は睨みつける事しか出来なかった。

「あーやべぇ、負けるっ!!」

レベル6になり、スピードも速くなってきて、冬獅郎は慌てふためきながら奮闘していた。それを見た一護は、恋次とお喋りしていたのをほっぽって冬獅郎の背後に回る。

「これをここに入れて、次これを入れて・・・ほら、消えた。次はこうして・・・・・・」

一護の説明なんて冬獅郎の耳には届かない。理由は、すごい密着していたから・・・。

「おい、一護っ!近すぎだ!!」

恋次は一護の身体を引っ張ろうとしたが、その手はすぐに止める羽目になる。冬獅郎の霊圧によってその手は封じられた。

「一護は俺のために教えてくれてるんだ。余計な口出しはしないでくれ」

余計な、と言われてしまい、かなりのショックを受け、それから下校時まで恋次は冬獅郎と一護の両方と一言も喋らなかった。
帰る時である。冬獅郎は一人で帰ろうとする恋次を止めに行った。

「阿散井!・・・いや、恋次。一緒に帰ろうぜ?」

一護は一日中冬獅郎といれたのでこのあとは二人きりにさせてあげよう、と気をきかせて冬獅郎に声をかけるように促したのだ。
そのあと一護は二人に別れを告げ、自宅へと向かった。

「今日は阿散井の気も知らないで一護といて悪かった」
「隊長は何も悪くはありませんよ」

それは本音である。しかし、心の傷はまだ痛んでいた。もう、離れたくはなかった。
浦原商店では、二人は同室で寝る事になっていた。今日も二人横に布団を引いて寝る準備をしていたのだが・・・・・・。
布団の上に恋次はボーっと座り込んでいた。どうしたのか聞いても返事がない辺り、たそがれているのかと思って、そ〜っと恋次の背後に座り込む。そして・・・・・・・・・

「わぁぁあぁぁ!」
「れ〜〜んじっ」
恋次にムギュ〜〜と抱きつくその無邪気な冬獅郎に、クヨクヨしていた暗い心も、一瞬のうちにして晴れた。自分は、嫌われてなんかいない。そう、実感する事が出来て、恋次は何度も何度も、冬獅郎にお礼を言っていた。
冬獅郎は、ただ、暗い恋次を元気にしてあげたかっただけ・・・。


温かい心を持ったその少年は、これからもこれからも、みんなに好かれる事であろう。


後書き
ごめん、何がしたかったんだろ|||orzlll
とりあえず、教室で見ていた光景からなんですが(ぉぃ
本当はもっと三角関係らしく書きたかったんだけど、力不足みたい(あいたっ
あーーーーもっと恋ヒツっぽく、一ヒツっぽく書けるようになりたいよぉ;;;
もっともっと修行いたしますねorz


UPDATE:2006.11.11
ルミガンで素敵なまつげ