夜の学校
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夜、一護の通う高校にバウントが逃げ込んだ。それを確認した改造魂魄のりりん、蔵人、ノバは死神たちと共に校内に侵入した。
今、現世に来ているのはルキア、恋次、白哉、冬獅郎、乱菊、イヅル、修平である。
彼らを案内しながら、一護、織姫、チャドは校内でバウントを探し歩く。
「助けてっ!!」
まだ校内に人が残っていたのだろうか、誰かの助けを呼ぶ声が聞こえ、一護たちは走ってその場へ急ぐ。
「大丈夫か!!?」
その女性はクラスメイトの有沢たつきであった。織姫はたつきを安全な場所へ連れて行こうと彼女を抱きかかえた。
織姫に周りの警戒のため、冬獅郎、乱菊、ルキアが付き添った。織姫は三人に見守られながらたつきの治療に取り掛かっていた。
一方で、それ以外の死神たちはたつきを襲っていたバウントに立ち向かっていた。
「おい、そこまでだ、バウント」
「もう追いついたか」
そこは二階。ついに追い詰めた、と一護は刀を構えた。その時である。
「きゃあぁ!!」
「織姫!!?」
織姫は、自らの体内に何かが入り込み、自分の感情のままに身体が動かなくなってしまう。助けを求めるように、乱菊に手を差し伸べる。
乱菊は困ったように冬獅郎を見つめる。しかし、冬獅郎の視線は下を向いていた。そう、一護に借りていた改造魂魄のりりんと相談しているようだ。
とりあえずショックを与えよう、という結論に至り、織姫の周りに冬獅郎、乱菊、ルキアが立ち並ぶ。
「え?」
織姫はみんなに見据えられて、みんなの顔を見回す。みんな切なそうな顔をしている。しかし、そう思ったのも束の間。織姫の体内に忍び込んだ者が動き出そうとしている。
「散れ、千本桜」
「悪い、井上・・・」
向こう側で戦っている白哉の攻撃と冬獅郎の言葉が重なった。とすぐ、冬獅郎と乱菊、ルキアは溶けるように消えていった。
それと同時。織姫の悲しみにより、体内に入っていた何かが抜けていった。しかし、その場所にはもう、三人は跡形もなく消えていた。
もうすでに身体は治っていたたつきは、織姫を残して消えた三人を探しに行く。口調などから、全員強い気がする。それに、いきなり消えたのも、何かの術で、織姫の体内に入り込んでいた者を引きずり出すため・・・・・・。
一番上の階に辿り着いて、とある教室に人気がある気がし、入ると、教卓の上に雨竜がいた。
「石田・・・アンタ、何してんのよ」
「やぁ、何のようかい?バウントの勝利を願ってここで見守っているだけさ。アイツらは粘りこいからね。何かがあったときは僕がアイツらを動揺させる事になっている」
「何馬鹿な事言ってんのよ!?一護が死ぬ筈ない!!」
いつもの雨竜じゃあない、そう思って反対側の階段まで全力疾走した。そして、階段を下りて・・・・・・。
バウントとはちあわせしてしまった。咄嗟の判断で、バウントの腕を掴むが、軽々払いのけられ、壁に頭をぶつけてしまう。
「後は任せろ」
ちょうどそこへ、一護たちが到着した。よかった、とたつきは立ち上がる。
一護、白哉に続いてやってきたのは、先程消えた筈の冬獅郎。
「ちょっと!アンタ!さっきのは何だったのよ!!?」
「さっきの?」
「突然消えたじゃない」
「あぁ、あれか」
説明する為、邪魔にならないところまで冬獅郎に連れて行かれる。
あれは、りりんの幻術の能力を使用し、バウントが動き出しそうなので一階上に素早く走って行った、という事だ。消えるほうに目が行き、走っていく彼らを目撃しなかっただけの話・・・・・・。
「じ、じゃあ今織姫は大丈夫なの?」
「あぁ、体内にいた奴が抜けたのは知ってるだろ?もう大丈夫な筈だ。今井上織姫の近くに松本と朽木ルキアがいるはずだ。行って井上織姫に伝えてやれ。そしたら松本と朽木ルキアにこちらに来るように伝えてくれないか?」
「わかった」
そしてたつきと冬獅郎は別々の方角に向かって走り始めた。
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