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クラス替えの法則
今日から私、森あいと植木は中学2年生。そう、今日は始業式だ。新クラスは今日、始業式の後に発表される事になっている。植木と離れたくないなぁ…。
学校はいつも植木と通っている。今、植木のマンションの前に来ている。
――植木の奴、私と同じクラスになりたいなんて思ってるわけないよね――
私はそんな事を思いながらマンションの、植木家の玄関の前まで着いた。
ピンポーン
チャイムを鳴らすと、植木のお姉ちゃんがいつもの様に出てきた。
「あら、あいちゃん。ちょっと待っててね。耕ちゃん、今準備してるから。」
そう言って植木のお姉ちゃんは玄関を閉めた。
私達はあの戦いの後、普通どおりに生活している。植木の家族も何事もなかったかの様に元通りだ。
数分後、パンを喰わえた植木が出てきた。
「悪ぃ、待たせた。」
「ううん、早く行こっ!遅刻しちゃう!!」
そう言って私達は初日に遅刻しない様少し早足で学校へと歩いて行った。
「おい、森。パン喰うか?」
植木は自分の喰わえているパンを私の前に差し出した。私は流石に異性の食べていたパンを食べる気にはなれなかった。私は首を横に振ったが、植木はまだパンを私の前から外さなかった。
「くーえーー!」
「あーもー喰えばいいんでしょっ!」
私は差し出されているパンを手に取り、一口食べた。このパンの生地がクリームで、とても甘みがあって美味しかった。
「どうだ、美味しいだろ?俺のお気に入りなんだ。きっと森も好きなんじゃないかなと思ってさ。」
ニカッと笑う植木。私が女だって事わかってんのかな、全く。
そんなこんなでいつの間にか学校に着いた。春休み中学校には来なかったので、凄く懐かしかった。植木も同じく久しぶりの学校だったらしく、「久しぶり!火国中学!!」と学校に挨拶をしていた。
学校に着いたら、前のクラスに集合、と言われていたので、私と植木は懐かしい1年C組に入った。
「あー、あいちんお早う!!」
「あー元気?」
私は友達と話し込んでいた。その間植木は同じく自分の男友達と話していた。その植木の後姿を見ていると、その友達が「ねぇ、あいちん、植木の事好きなん?」と訊いてきた。
「んなわけないじゃない!単なる友達よ!!」
そうかぁ?と怪しげに見てきたので、私は何よっという感じでそっぽを向いた。
「あいちんと、また同じクラスになりたいなぁ。」
その間に担任、コバセンが入って来た。
「おい、席着けぇ!今から体育館行くぞー。」
クラスのみんなは廊下に整列し、体育館へ向かった。
始業式が終わり、クラスへ戻ると、コバセンから新クラスの発表が行われた。植木はまたC組だ。私もまたCだと良いのにな…。そう祈っている間に、私の前の出席番号の子のクラスが発表された。
「次、森あい。………C組。」
それを聞き、私は嬉しかった。また植木と一緒になれたから。植木の方を向くと、植木はまた一緒だな、とウインクしてくれた。
2年C組のクラスへは植木と一緒に移動した。
「また一緒になれたな、森。色々宜しくな。」
「うん、こっちこそ。」
後書き
植森小説出来上がり(笑)こういう何とな〜く甘い感じが書きたかったんです。
なかなかだな、と自分では実感しております。
いやーあいちゃんが羨ましいですね。植木と同じクラスにまたなれるなんて。
『うえきの法則+』で同じクラスかな、と思い、こうしたんですがね。いやーラブラブでしょ、中学で男女共に学校通うなんて。そこは私の想像なのですがね。
UPDATE:2006.04.09