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不安だらけの面談の法則


春、新学期を迎えて数週間が経った。新しいクラスにも馴染んできた頃、担任の先生から、わら半紙に印刷された紙が配布された。そう、もう保護者面談の時期である。親と担任の生徒に対しての対話・・・。
俺は去年、父さんがコバセンと面談を行った。今年はどうするのだろうか。
今年も担任はコバセンだ。父さんがまた行くか、または・・・。


「ホームルームだ、みんな席つけー。」

いつも通りの時間、帰りのホームルームが始まった。今日もこれで終わりだ。あとは家に帰って、面談について話さなくちゃ。

「保護者面談の日程を保護者の方としっかり確認してくるように。来週までに提出だ。」
「「はぁ〜い!」」
「じゃあ号令〜。」
「きりーっつ!さようなら!!」

今日の日直が挨拶をし、下校となった。

「植木―!帰ろう!!」

いつも通り、森が俺の所へやってきた。おう、と返事をして、一緒に昇降口へと向かった。


昇降口で靴に履き替えていると森が訊いてきた。

「ねぇ、今度はお姉ちゃんが面談に来るの?」
「さぁ、今日帰って話して決めるからまだわかんねぇ。」
「そっかぁ。うちはお父さんかな。」
「お母さんは?」
「うん、忙しいから多分来れないと思う。」
「そっか。」


普段と変わらないコースから帰り、いつもと同じ場所で森と別れ、俺は家に入った。

「ただいまー。」
「おかえりなさい、耕ちゃん。」
「ネェちゃん、今度保護者面談があるんだけど、今年誰が行くんだ?」

リビングに入って、ねぇちゃんが台所で用をしているのを見て、早速尋ねてみた。すると目の色を変えてこちらに小走りでやってきた。

「そっか、もう保護者面談なんだよね〜。担任はまた小林先生なんでしょ?」
「うん。」
「じゃあ去年お父さんが行ったから、今年は私かしら?」

何故か嬉しそうに話す姉の姿を見て、どんな事を話されるのかと心配になった。
そう思った俺は間違ってはいなかった。

「どんな事話せばいいのかしら?いつも可愛い耕ちゃんの事とか〜、小さい頃の話とか!」
「おい、保護者面談って何だかわかってるのか?」
「わかってるわよ〜、そのくらいwでも私、耕ちゃん好きなんだもんw」
「駄目だこりゃ・・・」

先が思いやられる気がしてならない耕助を余所に、一人腰の浮いた姉はまた台所へと戻って行った。

「あとで日程書いておくからその紙そこに置いといて!」

最後だけまともな事を言っている姉に多少驚きながら面談の紙を机の上に置いて自分の部屋へと戻って行った。


「俺の面談、大丈夫かな・・・」



後書き
 こんなんでいいのでしょうか?とても不安・・・。お姉ちゃんのキャラが変?いや、でもこんなテンションでよかった筈。

 保護者面談の時期、春・・・。子供は親が先生と何を話しているのかすごく気になるんですよね。
 自分の事、ペラペラペラペラ言いたい放題言いそうで恐いんですよ・・・。
 私の学校でも保護者面談が6月頃あって・・・。そう思ってこの小説を書いてみた。
 自分の心境を最後の植木の独り言に込めてみた。わからないよね。アハハ★



UPDATE:2006.05.05

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