特別な日
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それから、何十年という時が経った。あの頃の「桜」の木はみるみる大きくなってきている。いつ、立派な木になり、素晴らしい花が咲くのかと総隊長になった元柳斎は楽しみにしている。
それから間もなく、尸魂界にも「春」と呼ばれるような温かな日が近づいてきた。そして春は次第に迎えられた。
春が近づくにつれ、あの「桜」は綺麗な花を咲かせ始めた。もう時期、満開となるであろう。
しかしその頃、隊長の穴が開いた隊があった。その隊とは・・・・・・・・・
十番隊
その穴に埋める事が出来る様な人材は居ないか、総隊長の元柳斎は尸魂界中を探し回った。すると今回霊術院を卒業する試験で、卍解を習得した者が居た。それは・・・・・・・・・
日番谷冬獅郎
彼を気に入った元柳斎は、すぐに隊首会に彼を連れて行き、十番隊の隊長を薦めた。彼は一瞬嫌な顔をしたが、当時の護廷十三隊全隊長の前では首を横に振らず、
「わかりました・・・。俺に、十番隊の隊長を勤めさせてください。」
という一言で決まった。
みんなが小さな彼に祝福の拍手を送った。彼はその拍手の中、元柳斎に渡された羽織を羽織ると、更に拍手の音が強まった。
その拍手の中、彼は窓へ歩み寄って外を眺めた。そこから見える景色はとても素晴らしかった。空は快晴で、更にここ、隊首会が開かれている場所は、尸魂界中を彩る、ピンク色の綺麗な桜の木々が見渡せる、絶好の場所であった。
そう、この日は初めて桜が満開となった、特別な日であり、史上最年少の隊長が誕生した日である。
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