DOUBLE ICE

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それから一週間は日番谷にとってあっという間であった。
当日、五番隊に集合だった。十三番隊へは意外とここが一番近いらしい。そこへは一番に辿り着いた日番谷と松本、十番隊代表の二人は、雛森を探していた。

「うおーぃ、雛森ぃ!いねぇかぁ?」
「あっ日番谷君、乱菊さん、早いですね」
「おぉ、雛森。・・・・・・か、可愛いじゃねぇか」

祭りと知っていた雛森は可愛らしい着物を着てご登場。褒められた事が少しもどかしく、照れたように笑うと、松本に目を移した。

「乱菊さんもお素敵ですね」
「あら、雛森には劣るわよ。私は見た目だけ」

悔しいわね、と日番谷を睨みつける。日番谷には自分の容姿など全く目には入っていないようだ。先程からずっと雛森から目を離さないでいたのだ。
気がつくと、五番隊の外には恋次が手を振っていた。

「おーい、雛森ー!イヅルも来てるぞ!!」
「あ、今行く!行こ、日番谷君、乱菊さん」
「はいはーぃ☆」
「さて、行くか」

三人が恋次とイヅルの前に出てきて、二人が驚いたのは言うまでもない。日番谷、松本は前は十三番隊の夏祭りツアー(?)には名前がなかったはずだった。

「ゴメンね、乱菊さんがどうしてもって言うから呼んじゃった」

十三番隊へ向かう道中、雛森は後ろを振り返って恋次とイヅルに説明していた。

「悪いな、二人とも。邪魔なら今すぐ・・・いなくしてやるからな

後半は雛森に聞こえないよう、小声で、それもほとんど口パクに近い状態で言った。その言葉の意味と、日番谷の怪しい表情で、邪魔だとは言えないし、しかも上司だ、身長が身長でも信じられない事実だ。上司は上司なのである。
うな垂れながらも十三番隊夏祭りツアーメンバー5人は着々と十三番隊へ近づいていた。

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