HALLOWEEN
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まず、二人が向かったのは十三番隊。先程阿散井が話があると言って隊長である浮竹と相談をしていた場所。そう、あの時相談した事とは・・・・・・
「浮竹隊長!!トリックオアトリート!」
「と、とりっくおあとりーと・・・・・・」
「やあ、日番谷隊長。二人ともどうぞ、アメとクッキーとチョコレートだよ!」
「は、早いな・・・」
「俺もな、一護くんから以前にこういう催しがあると聞いたんだ」
浮竹は半分本当で、半分嘘をついた。以前に聞いたのは確かだが、詳しい内容などは先程阿散井から聞いたので、本当の事ではないのだが。
阿散井は予定通り事を進めようと、浮竹に礼を言って、続いて自分の隊へと向かった。
「朽木隊長、お疲れ様です。トリックオアトリート!!」
「何用だ。お菓子が欲しいならそう言えば良いものを。これで良いか」
朽木隊長は二人の籠にクッキーを入れ、用事がないなら早くこの場を去れ、と言った。
日番谷にしてみれば、何故六番隊の朽木まで今日の行事を知っているのかと驚いていたのは言うまでもないが、恐らく阿散井の奴が後で来るからお菓子を用意して待っててくれ、とでも頼んだのはすぐに予想がついた。
続いて向かうのは何処だろう、と日番谷が思ったときである。
「あら、隊長。こんな所で何をしてるんです?ドラキュラですか?」
「ま、松本っ!何処で何してやがった!?」
「私は六番隊に書類を届けて、そして帰りに会った勇音と清音、それからネムとお喋りしてたの。あ、そうそう。今日ってハロウィーンなんでしょ?清音に聞いたわ。何か言う事があるんじゃないの?隊長」
「あ、えと・・・とりっくおあとりーと・・・・・・」
何故松本に言わなければならないんだ、そう思いながら日番谷は少し下を向いて呟いた。
松本は、正解、という感じで袋詰めした大福やらまんじゅうやら煎餅やらよく執務室で食べているようなものを次々に入れた。
「あと、これはネムからで、こっちは勇音と清音から」
今度はラムネやらポテトチップスなどをポンポン入れた。カボチャの籠はもう既に溢れそうになっていた。
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