HALLOWEEN
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「さて隊長。次で最後にしましょうか。気づけばもうお日様が赤くなってますしね」
「最後は何処だ」
「何処だって、わからないんですか?一番行きたかったの、五番隊じゃないんですか?」
「こ、こんなカッコ見せられるかよ・・・・・・」
「もう何度か通ってたの知らないんですか?」
阿散井は何度か会っていた、と言って前を歩き始めた。何処であったのか全く検討がつかない日番谷は一人頭を抱えたまま阿散井の後をついて、幼馴染みの待つ五番隊へと向かう。
「藍染隊長、雛森!トリックオアトリート!!」
「阿散井副隊長、似合ってるじゃないか。そっちの十番隊長さんも」
「う、うるせぇ・・・」
雛森がジーっとこっちを見ているので恥ずかしくて下を向きっぱなしの日番谷。
「シロちゃん、無駄に似合ってるご褒美!桃まんじゅうとアンミツをプレゼント!!」
何故そんなものがすぐ出てくるのか全く不思議でならない日番谷は、もう我慢の限界で、雛森に問いただす。
「なんでって、言っていいのかなぁ・・・・・・」
「いいぜ、もう他には行かないし」
目で訴えた雛森。その訴えがわかった阿散井は頷いた。
「あのね、お昼前だったかな?阿散井くんがここ着てね、夕方くらいの予定だけど、自分と日番谷くんがここに『トリックオアトリート』って言ってお菓子貰いに来るから、日番谷くんにあげたいお菓子用意して待ってて、って言われたの。それで、夕方前にお菓子買いに行こうかなって思って、何が言いか浮竹隊長に聞きに言った時、日番谷くんが着ちゃって、裏から帰らせてもらったの。その時にね、見ちゃったんだ、ドラキュラ姿の日番谷くん」
もう、初めのうちから見られていたのかと思うと溜息しかでなくなってしまったひつがやであった。
しかし、救いの手はまだある。
「日番谷くん、この後阿散井くんと乱菊さんとね、お食事しに行くんだけど、一緒に行かない?着替えは六番隊置いてくるでしょ?」
「ああ、これ俺のだしな」
「い、いいのか?」
「そのつもりだったし。十番隊はもうお開きしちゃったらしいから帰っても隊員さんほとんどいないと思うよ?」
それから1時間後。みんなで尸魂界一美味しいと言われているレストランへと向かい、今日の出来事について語り合った。
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