Happy Snow

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「お誕生日おめでとう、シロちゃんww」


彼の冷たい手を、両手で握った。この手は、私が温めてあげるよ。そう思いながら。
もう一度日番谷の表情を窺った。すると、彼は目を思い切り見開き、私を見据えていた。

「ど、どうしたの?」

ちょっといつもより目を開いていて逆に雛森が驚いてしまった。



「いや・・・忘れてた。最近お前十番隊こねぇし・・・・・・驚いて、さ・・・」


ボソリボソリ喋っているが、周りは静かだからよく聞こえる。


「いきなりうち来るからちょっと嬉しくてよ・・・」


部屋が温かいからだろうか、微妙に頬が赤くなってきている気がする。


「したらなんか可愛く包まれた箱が出てきてさ・・・・・・」


顔だけ赤っぽいけど手はまだ冷たいなぁ


「お前の笑顔に動揺して・・・・・・」


この手はちゃんと温めるからさ、そのかわり・・・


「・・・・・・こんな形で祝われたの、初めてだ」


私の心を・・・・・・・・・


「ありがとう、それと・・・素直に言うよ。今まで伝えられなかったんだけどさ・・・・・・」


芯まで・・・・・・・・・


「・・・・・・ずっと前から・・・」


私の全てを・・・・・・・・・


「好き・・・・・・だった・・・・・・・・・っ!!」



温めてっ!!!!




日番谷は思い切り雛森の身体を自分に引き寄せた。彼女の心まで温めるように。もう、自分のもとから離れないように。今まで追ってきた傷を埋めるかのように・・・。

「プレゼント・・・お前で充分だよ」

息が吹きかかるほど近くで囁かれたその言葉は、雛森の抱き返しによって成立され、日番谷の史上最高の誕生日プレゼントとなった。
そして窓の外には、二人を温かい心へ結びつけた雪が降り積もっていた。




KISS FOR YOU 好きだから

I LOVE YOU 愛してる

この世界でお前以外の何も 俺には必要ない

タダ欲しいのはお前の心 ただそれだけだから

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