獅子と狛村?
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名前を聞くととてもカッコよく聞こえる名前。でも漢字で書くと、とてもいかつい漢字を持つ、十番隊隊長、日番谷冬獅郎。
彼は史上最年少で隊長となった超頭脳の持ち主である。
そんな彼だが、今は雑用ばかりをこなしている。その理由は、多くの隊員、はたまた副隊長である松本乱菊までもが今、風邪の為不在だからだ。
隊舎内の汚れた窓の掃除やら執務室の片づけ、そしてまだ自分の机の上には倒れんばかりの書類が山積である。
本来なら残っている隊員に任せるのが普通である。しかし、日番谷はもう既に大量の仕事を命じた。それでも自分の所にも、大量の仕事が残された、という経緯が裏にはあった。
いい加減疲れた、と自分の席を外してソファーに寝そべっていた。机の上には先日松本が残して行ってくれた現世のお菓子などが無残に積み重ねられている。
「疲れてる時は甘い物を食べると良いって、本当なのか・・・?」
自分の身体に押し寄せる疲労を感じ、目の前に積まれた一番上のチョコレートに手を伸ばした。
「うまっ!」
自分の口に合う味で、次々と口に入れる日番谷。ふと、以前に読んだ書物の事を思い出していた。
その書物には、『犬にチョコレートを食べさせてはいけない』、そう書かれていた気がする。何故か?そこまで覚えてはいない。
「犬か・・・・・・・・・狛村隊長に食べさせたらどうなるんだろう?」
そう考え、初めて狛村に出会った日の事を思い出していた。
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