STORY TELLER

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「嬉しいぜ、雛森。俺の事、好きなんだな。今日はエイプリルフールっていってだな、嘘ついて良い日なんだってよ。」

私は目を丸くして隊長の事を見据えた。桃も驚いて隊長の事を見ている。言った事は、180度違う事だったって事。って事は、隊長は「お前が大好きだ!」と言ってたんだぁ。意外とお茶目ね、隊長ったら。

すると、桃はまた泣き出した。しかし、悲しくて、ではなかった。隊長に見せたその涙は、嬉し涙である。桃は私の腕から離れ、隊長の所へ走って行った。誰も止めないわよ。さ、私は仕事仕事!!



「雛森///」
「私も大嫌いっw」
桃の言い方。本当、可愛いわ。きっと隊長、顔真っ赤よぉ☆

「雛森っもう嘘は終わりだっ!!」
「日付変わっちゃったの?早いなぁ。じゃあ今日はこっちに泊まるね、シロちゃん!」
「もうその呼び方やめろよっ!………でも、今夜だけ許す………」

隊長ったら。耳まで真っ赤じゃない。今日は二人だけにさせておこっと。てなわけで…

「隊長!私、先上がります。」
「お、おう。お疲れ。」
「じゃあね、桃。」

私は隊長が顔を隠す為にそっぽを向いているのを確認して、桃にウインクをして部屋を出て行った。桃はウインクの理由がわかったらしい。私に会釈をすると、隊長に向き直った。そこからは部屋を出た私には何が起こったのかわからない。でもま、末永くお幸せに、お二人さん!


そうそう、これだけは覚えておかないと。『4月1日はエイプリルフール、嘘つく日』ってね。来年、誰かを騙す為にも、ね。



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