星に願いを
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「さぁて、頂こうかしら?」
「そうだな。この暑さじゃすぐ溶ける」
二人は袋を開け、アイスをかじり始める。
「つめたっ!」
日番谷は渋めのアイスのあまりの冷たさに少し驚きながらも食べている。
「隊長、いつも冷たいものまとってるじゃないですか」
アイスを食べながらその日番谷の動作を見て言う。身体の中には入れない、と意地を張りながら日番谷はかぶりついていた。
余程疲れていたに違いない。日番谷は身体が無性にアイスを欲しているのを感じていた。こんなになるまで仕事をしていて続くわけがないのに、意地っ張りな日番谷だから、どうしても止める事など出来ないし、部下に渡す事もしなかった。
「隊長、身体壊す前に書類を下に渡した方がいいんじゃないですか?隊長に頼まれた仕事をやらない隊員いないわよ、ここには」
松本は日番谷に対して文句を言ったりしながらも一番慕っている。それと同じように十番隊員たちは日番谷の為に働いているのである。それはみんな一緒である。
「少しは隊員を信頼してもいいんじゃないですか?隊長が少し甘えたくらいで嫌がる人はいません、この隊に」
松本は知ったような口を利いているが、実際それは本当の事。日番谷は少し考え、そして松本にお願いをする。
「じゃあ一つ良いか?」
「なんでしょう?」
「七夕の日は俺は非番でいいか?」
たった一日でも休みたい、という意味でない事くらいずっと日番谷の副隊長を務める松本にはすぐに伝わった。ためらいなしに頷く。
その願いはそれまでひたすら仕事をこなす、という事で承諾された。
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