お世話になってます
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ここは朽木家、ルキアのプライベートルーム・・・違った、自室である。そこでルキアは棚の中やら机の中やら色々ほじくり回し、贈り物として適しているものを探し回っていた。
しかしなかなか良い物がこう・・・都合よく出てきてはくれず、溜息ばかりが零れている。
「なかなかないものだな・・・・・・」
病的な浮竹には、やはり健康に良いものなどが良い気がするのだが、そんなものは持っていない事はわかっている。他に、何なら喜ばれるだろうか。
そんな時思いついたのが、甘味処。和菓子が美味しいと評判の店がこの近くにあった事を思い出す。浮竹は和菓子が好きそうな・・・そんなイメージがしたので、彼の贈り物は決まりだ。
「肝心なのは日番谷隊長だ・・・・・・」
滅多に話した事のない日番谷隊長・・・。ずっと想っているだけで、書類を私に行ったときくらいしか話した記憶がない。なので何が好きなのかとか全然思いつかない。誰かに相談するのがいいのだろうが、無駄な気がする。みんな決まって、小声で同じ答えを口にするに決まってる。
仕方がないので、尸魂界内を歩き回り、何か隊長の情報を得よう、そう思ってルキアは家を飛び出した。
「ねぇねぇ・・・日番谷隊長の誕生日、何あげるか決めた?」
「えへへ〜、私はねぇ、赤紫色のマフラー編んだんだ〜〜www」
「あ、似合うかもね。でも私の方が凄いよぉw実はぁ・・・・・・」
日番谷ファンの女死神二人が明日の誕生日の贈り物について語り合っている。最後は小声で言っていたのでルキアからは全く聞こえなかったが、確かに日番谷には赤紫色も似合う気がする。
昼時なので、至る所の公園のような所では食事をする隊員やカップルなどがたくさんいた。
自分も日番谷隊長と出来たらなぁ、そんな事を考えながら前を向いた時、十番隊の松本乱菊副隊長がこちらへ歩いてくるのが見え、隠れようとしたがすぐ腕を掴まれた。瞬歩ですぐ追いつかれたのだろう。
「ルキアちゃん、何処行くのかなぁ?私から逃げようなんて考えないでよ」
「ままま、松本副隊長!!!?」
今日はよく声が張りあがる日だな、声が出てから気づいたのでかなり遅いけど。
乱菊はルキアの顔をジィと見つめ、そして心の内を読み取ったかのように言う。
「さては隊長の誕生日プレゼントの事考えてるなぁ?」
「はぅあっっ!」
「命中だね?w」
乱菊はニッコリ微笑んで・・・というより、不敵な笑みを浮かべてルキアの腕を引いた。何処へ連れて行くつもりなのか何となく検討はついていたので、一生懸命乱菊に抵抗をする。ほぼ無駄だとはわかっているけど。
相手は私よりも年上だし、私より数倍・・・否数十倍も美人だし、日番谷の良き理解者である事も百も承知。だが、ルキア一人の力では到底敵わないのが、何か企みのあるときの乱菊である。
「そういうことなら本人に直接聞いた方がいいって。それに、最近十番隊に雛森が来ないから隊長の機嫌が悪くてねぇ。ちょっと話し相手になってあげてよ」
雛森とは。五番隊の副隊長を務め、日番谷の幼馴染みである雛森桃の事である。そして彼女にも、敵わないとはわかっている。
なぜなら、私より数倍可愛い。そして優しくて何より笑顔が素敵だ。いくら幼馴染み同士でも、日番谷がそれを「かわいい」と思わないわけがない。ルキアには出来ない芸なので、前から桃の事は憧れていた。
「いえ、何も話す事などっ・・・!」
「適当に話してればいいわよー。私だっているし」
物事を言うのは容易いが、しかしルキアは人と話す事に慣れていない。それに好きな人の前だと余計口が堅くなってしまう。自分には無理だ、そう思いながら抵抗を続けるが、やはり乱菊には敵わなかった。
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