お世話になってます

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話を聞くと、つい先日十番隊に、八番隊の京樂隊長と伊勢副隊長がやってきて、大福を分けてくれたらしい。松本の好物なので何度も礼を言って貰ったそうである。
日番谷は、甘い物があまり好きでないと以前聞いたルキアは日番谷の顔色を窺う。ただボーっとお茶をすするだけなので、その噂は本当のようである。

「あの・・・日番谷隊長にお尋ねしたい事があるのですが・・・」
「なんだ?」
「何か欲しい物とかありますか?」

あの日番谷と話せるだけでもう幸せなのだが、でもこれを聞きに来たようなものなので、恐る恐る尋ねてみた。

「俺の誕生日か?何も欲しいもんなんかねぇよ」

流石。最年少で隊長に就いただけの事はある。勘が凄い鋭い・・・・・・。って褒めてる場合ではない。それじゃあ意味がないじゃないか!
単刀直入に聞きすぎた自分も悪いのだが、と少し顔を下に向けて溜息をついた。

「隊長・・・冷たいですよ?」
「俺は冬が好きだからな。俺へのプレゼントはそれだけで充分なんだ」

確かに隊長の技は氷だ。それに冬生まれ。冬が好きでも全然おかしくはない。それに、自分も冬の方が好きである。

「そういえばこないだ私、隊長の湯のみ割っちゃいましたよね?この湯のみはなんなんですか?」

日番谷の前に置いてある湯のみを指差して乱菊は尋ねた。


つい先日、書類整理の息抜き、と台所の片付けをしていた乱菊は、手が滑って湯のみを落としてしまったらしい。しかもそれは、日番谷が愛用していた湯のみで、かなり怒鳴られたと言う。


「あぁ、これか。客用が多かったからな、一つ使った」
「なるほどねぇ」

すると乱菊はチラリとルキアに視線を送る。その視線が意味する事がわかった私は、しばらく日番谷と乱菊の三人でお喋りをして、すぐに十番隊を去った。そう、買い物をするために。

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